スペシャル対談|腰痛予防・姿勢改善のアーユル チェアー

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アーユル チェアー誕生の秘密に迫る!
右:塩澤 一洋氏
1969年東京生まれ。成蹊大学法学部教授でありながら、写真家としても活躍。その写真はMacPeople誌や韓国MacMadang誌、その他雑誌の表紙や記事などに多数掲載。また、ブログ「shiology」は月刊10万ページビューを超す人気ブログ。月刊MacPeopleに「一語一絵」を連載中。
塩澤さんのブログ「shiology」http://shiology.com/

左:長谷川康之
株式会社トレイン 代表取締役
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アーユル チェアー誕生のきっかけ
塩澤:
アーユルチェアーという名前の由来からお伺いしてもよろしいですか?
長谷川:
“アーユル”という言葉が、インドのサンスクリット語で“命”という意味なんです。このチェアに座ることで、正しい姿勢を身につけて、心身共に健全になり、命の輝きを見出してほしいという思いがあって、名づけました。
塩澤:
なるほど、「命のイス」ですね。アーユルチェアーが生まれたキッカケは何だったんですか?
長谷川:
最初のキッカケは、わが社で発売した、メディカルステイフィット(以下MSF)というイタリアの血管外科医の先生が設計したドクターズストッキングです。MSFは着圧系のストッキングで、イタリアの専門医が設計していて、非常に高性能なストッキングなんです。
塩澤:
ストッキングですか。
長谷川:
特に女性は、朝起きてから夕方頃までに、足がむくんで1.5〜2cmほど太くなる。2cmって見た目にわかるぐらい太いでしょう?MSFは、そのむくみを起こさせないように設計されたストッキングなんです。そうすると、夕方や夜になってもぜんぜん細いんですよ。
塩澤:
なるほど、機能的だ。速く泳げる水着みたいですね。
長谷川:
そうなんですよ。なので、高機能な着圧ストッキングを発売するときに、ただ商品を売っても意味が無いと思ったんですよね。例えば車で言うとフェラーリみたいなもので、いきなり初心者には乗りこなせないでしょ。
塩澤:
たしかに。
 
長谷川:
そんなときに、平山昌弘さんという方と出会ったんですよ。ずっとスポーツ選手のフィジカルディレクターをやっていて、その後、イタリアのスキーのゴールドメダリストのアルベルト・トンバ選手のフィジカルディレクターをやって、『日本人と欧米人では骨格や筋肉がぜんぜん違う』という事で、民俗学という観点から見た日本人と欧米人の違いっていうのを研究されている先生だったんです。
塩澤:
スポーツ選手の体を毎日見ている方だからこそ、違いを実感したんでしょうね。
長谷川:
そうでしょうね。農耕民族の日本人と狩猟民族の欧米人では、生活も違うし、使う道具にも違いがあるんですよ。例えば、畑仕事ばかりやっている日本人は身体の前側の筋肉が発達しているから、同じのこぎりでも、日本ののこぎりは「引く」時に切れるのに対して、欧米ののこぎりは刃の向きも逆になってて、「押す」時に切れるんですね。
塩澤:
そうそう。
塩澤 一洋氏 長谷川康之
 
長谷川:
その先生とMSF発売の頃に出会って、ストッキングも欧米人が作った欧米人の為の道具だから、日本人は上手く履けていない、とおっしゃるわけです。着物文化の時にはストッキングなんて履いてなかったですからね。普通パンストって立ったままパッと履く人が多いんですよ。
塩澤:
そういえば、ストッキングも靴下も、どうやって履くか、なんて考えたこともないですよね。
長谷川:
なので、MSFという高性能なストッキングを発売するにあたって、ただ商品を発売するのではなく、「スローストッキング」という、ストッキングの履き方そのものを提唱したんですよ。イスに座って、ゆっくり足首からふくらはぎから太ももをくるくる回しながら履いていく履き方なんですけどね。
塩澤:
無理に締め付けて圧迫するんじゃなく、血液の流れは妨げないように履く、という事でしょうか?
長谷川:
そうですね、この履き方をする事によって、高機能のポテンシャルをより実力以上に引き出して、よりむくまない、ヘタしたら細くなっちゃうよ、っていう履き方の提唱をしたんです。
塩澤:
『文化の提唱』ですね。
長谷川:
そんな活動をする中で、平山先生が、ストッキングだけじゃない、イスも同じ事ですよ、とおっしゃったんです。文化も生活形態も違う欧米人が作った道具だから、ストッキングを履きこなせていないのと同じで、イスも座りこなせていない、と。
塩澤:
ストッキングもイスも、欧米人が作った道具、という事ですね?
長谷川:
ええ、日本は着物文化であり座敷文化ですよね。日本は昔、着物だったからストッキングを履かなかった、座敷文化だからイスにも座らなかった、そのプロセスは同じなわけです。だから、欧米人が作った欧米人の為のイスに「座らされる」のではなく、きちっと日本人が座りこなせるイスを作ろう、っていう所からスタートしたんですよ。
塩澤:
なるほど。
姿勢を正すということ
塩澤 一洋氏
長谷川:
日本が昔、座敷文化だった時は、みんな正座とかあぐらで座ってたわけですよ。これって、『坐骨座り』なんですね。坐骨で座ることで腰が立っていたから、姿勢も良かったんです。
塩澤:
坐骨って、座る骨と書きますよね。
長谷川:
でも、だんだん西洋文化が入ってきて、欧米人が作ったイスに座るようになって。坐骨で座るのを忘れて、背もたれに頼って、お尻全体で腰から背中を丸めて座るようになってしまった。だから、姿勢が悪くなってきた、と言われてるんです。
塩澤:
なるほど。
長谷川:
で、当初は、実は子どものイスを変えたいと思ったんです。
塩澤:
子ども用のイスですか。
長谷川:
そうなんです。わが社は「モノトーンの商材をカラーにする」という企業理念があって、今まで光の当たらなかった商材に色んな付加価値をつけていく、という理念なんですね。そして、僕が注目したのは、小学校のイスなんです。
塩澤:
小学校のイスというと、座面が木で出来てるイスですよね。そういえば昔から変わらないですね。
長谷川:
そうなんです。あれって本当にモノトーンの商材じゃありませんか?小学校1年から6年までず〜っと、一番子どもたちが成長していく大事な過程の中で、何の調節もできない安っぽいイスに座らされて、猫背になって勉強してるんですよ。僕自身としても、子どものころから姿勢が悪かったな、というのがあって。
塩澤:
いちばん体が成長する時期なのに、決して座りやすいイスとはいえませんね。
長谷川:
また、商品が出来上がった頃に別の出会いもありまして。運動科学総合研究所の高岡英夫先生という、ゆる体操という体操を考案した方なんです。体に関する専門家の中の専門家で、日本で初めて、軸の意識とか身体意識という理論を持ってきた方なんですね。その方が、アーユル チェアーを気に入ってくださって。
塩澤:
へぇ〜。
長谷川:
高岡先生いわく、会議が長引いてくると、集中力がなくなってきて、たるんできたりするじゃないですか。そんな時「やる気がなくてたるんでる」って思ってる方が多いでしょうけど、実はそうじゃなくて、長時間姿勢よく座らずに猫背で座っていると、だんだん身体のほうがストレスを持つようになる。それで集中力が無くなっていく、という人間の体の特性があるそうなんです。
塩澤:
姿勢が悪いと体の機能が低下して、だらけてしまう、という事なんですね。
長谷川:
そうなんです。偉い人や学校の先生が子どもたちに、姿勢を正しなさい、と言うじゃないですか。姿勢を正すっていうのは、その態度だとか行動を変えるってことを表しているようでいて、実は、姿勢を正して本当に集中して、まっとうな考え方になりなさい、という事を指しているんだな、と思ったわけです。
塩澤:
体の姿勢を正すことで、心の姿勢も正すことになるわけですね。
長谷川康之
長谷川:
だから、子どもたちに対して、まずは学力の低下や非行化を防ぐためにも、まずは体の姿勢を正して座ることで、日本の将来を背負っていく子どもたちの、まず、根底の部分、大事な部分をやり直したいという意識があったんです。
塩澤:
つまり体の安定が心の安定という事ですよね。
最初の道具の話にも通じますが、押すとか引くというのも身体論じゃないですか。欧米人と日本人では、身体の動きの方向性が逆だって事を対比しているんですけど、よく考えると精神論にも通じていますよね。欧米人はどんどん自分を外に出していく。
長谷川:
なるほど!確かにそうですね。
塩澤:
欧米人は、前に進む、押し出していく、自分の考えを表現して周りに伝えて行こうとするのが善なんですよね。だからインターネットが出来たわけです。一方、日本人は自分の内側に入れていくことに価値を感じる。精神的な面で外に向かうか内に向かうのか、という事が体の動きにも表れていくんでしょうね。
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