- 長谷川:
- その先生とMSF発売の頃に出会って、ストッキングも欧米人が作った欧米人の為の道具だから、日本人は上手く履けていない、とおっしゃるわけです。着物文化の時にはストッキングなんて履いてなかったですからね。普通パンストって立ったままパッと履く人が多いんですよ。
- 塩澤:
- そういえば、ストッキングも靴下も、どうやって履くか、なんて考えたこともないですよね。
- 長谷川:
- なので、MSFという高性能なストッキングを発売するにあたって、ただ商品を発売するのではなく、「スローストッキング」という、ストッキングの履き方そのものを提唱したんですよ。イスに座って、ゆっくり足首からふくらはぎから太ももをくるくる回しながら履いていく履き方なんですけどね。
- 塩澤:
- 無理に締め付けて圧迫するんじゃなく、血液の流れは妨げないように履く、という事でしょうか?
- 長谷川:
- そうですね、この履き方をする事によって、高機能のポテンシャルをより実力以上に引き出して、よりむくまない、ヘタしたら細くなっちゃうよ、っていう履き方の提唱をしたんです。
- 塩澤:
- 『文化の提唱』ですね。
- 長谷川:
- そんな活動をする中で、平山先生が、ストッキングだけじゃない、イスも同じ事ですよ、とおっしゃったんです。文化も生活形態も違う欧米人が作った道具だから、ストッキングを履きこなせていないのと同じで、イスも座りこなせていない、と。
- 塩澤:
- ストッキングもイスも、欧米人が作った道具、という事ですね?
- 長谷川:
- ええ、日本は着物文化であり座敷文化ですよね。日本は昔、着物だったからストッキングを履かなかった、座敷文化だからイスにも座らなかった、そのプロセスは同じなわけです。だから、欧米人が作った欧米人の為のイスに「座らされる」のではなく、きちっと日本人が座りこなせるイスを作ろう、っていう所からスタートしたんですよ。
- 塩澤:
- なるほど。