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「仕事の効率が上がるモノには投資は惜しまない」

「仕事の効率が上がるモノには投資は惜しまない」

プロダクトデザイナー

澄川 伸一氏

– 澄川さんから推薦して頂いたお陰でグッドデザイン賞を受賞出来きまして、有難うございます。なぜ推薦して頂けたんですか?
もともと、イスにはこだわりがあって、色々なイスを試していたんです。それで、東急ハンズで初代のカッシーナIXCとコラボレーションしたアーユル・チェアーを見ていて、この基本構成っていいなぁって思っていたんです。当時、 “アーユル・チェアー”というネーミングで、少しデザインが違うイスを何社かのメーカーさんで出していたと思うんですが、その中の一つを実際に購入して、座ってみて、やっぱりいいなぁと。ちょうどその頃にグッドデザイン賞の審査員に任命されていて、使って良かった事もあったのでグッドデザイン賞に推薦させて頂きました。実際、自分で使っていて良さが分かっていたからこそ推薦しやすかったですね。

– 事務局の方がアーユル・チェアーの開発元を調べられて、突然弊社に電話が来たんです。あの時はびっくりしました。弊社でもグッドデザイン賞が取れたら夢みたいだね、という話をしていて…。だからお電話を頂いた時は本当に嬉しかったです。グッドデザイン賞はデザインだけでなく機能や取り組みも審査の対象になるんですよね。澄川さんはグットデザイン賞の審査員としてアーユル・チェアーの取り組みはどう思われましたか?
何よりも、時代にぶれないで売れ続けている事自体が素晴らしいと思います。例えばバランスボールって、一時期は凄い話題をさらっていたけど、最近では話題に出てこないですよね。アーユル・チェアーは流行りではなく、“良さ”が分かってじわじわ売れていく商品なんでしょうね。

– 今まで様々なイスを試してきたとおっしゃっていましたが、実際にどんなイスを使用されたんですか?
例えば世界中で有名な、アメリカのメーカーの某有名イスは2回買って、2つとも手放しているんですよ。最初は欧米人サイズしかなくて全てが大きかったんです。その後に日本人サイズがでて、腰を支える構造も変わったんです。周囲の人から良いと聞いて、購入してみたんですが、人によるのかな?僕には合いませんでした。そのイスはリクライニングするのには良いのですが、仕事中の前傾姿勢のポジションではちょっと無理がありました。仕事中に気がつくと、どうもひどい猫背の状態になってしまっているんです。それに大きな肘掛けがあって、ちょうど机に入っていかないから、浅くかけたりして、気づくとやはり無理な姿勢になってしまう。あとはドイツで開発された某イスだとか。それにノルウェーで開発された某有名イスなども試してみたのですが、長時間座っているとすねが痛くなってくるんですよ。日本人の体には合っていないんでしょうね。あと、座ったり立ったりが簡単に出来ないですよね。足がしびれているから、余計立つ時に足がもつれてしまう。そうやって15万クラスの腰によさそうなイスは片端から買って試していたんですけど、自分に合ったものはなかなか無い状態でした…。

– なぜそんなに沢山のイスを試したんですか?
デザイナーっていう職業柄、ほとんど座りっぱなしで仕事をするんです。1日8時間くらいは座りっぱなしで仕事をしますからね。そうすると、どうしても体が疲れてきて姿勢も悪くなって、腰に負担がかかっているなぁって感じるんですよ。それと趣味でサーフィンをしているんですが、それも腰に負担をかけている原因の一つかもしれません。沖に出る時にパドリングって言って上半身だけを起こす姿勢になるのですが、その姿勢も腰に悪いんですよね。反り腰って一番良くなくって、寝転がりながら上半身を起こして本を読むのが一番、腰に良くない体勢なんだそうです。水泳でも平泳ぎは腰に悪いって言うし…。パドリングする格好もそれと近い体勢なんですよね。車で海に向かう時も長時間同じ姿勢だし、寒い時期でも海に入って腰まで冷たい水につかっていますしね。実は、波乗りの人は腰痛持ちが多いんですよ。僕もその中の一人ですし…。
それで、腰がつらいからマッサージに行ったり、病院でレントゲンを撮ってもらったりしたんですけど、ヘルニア気味になっていたみたいで…。だから仕事中に少しでも腰の負担を軽くするイスは無いかと探し始めたのがきっかけです。

腰当て(背もたれ)が腰の低いところにあたって、良い意味でサポートしてくれるなと思いました。あと座面の高さが低く出来るのが良いですよね。仕事で前傾の姿勢になっている時に、座面が低いと足の裏で地面をしっかり捉えられるから、腰の負担を軽くできます。それに仕事中は靴を履かない方が多いから、余計低い方が良いんです。

– アーユル・チェアーに座る以外に何か腰痛の為に工夫した事は他にありますか?
実は2年前にランニングも始めたんですよ。多い時で月に300km位走りますね。毎日10kmを1時間位で走ります。近くに野川公園っていう素晴らしい公園があって、その公園があるからここに引っ越したって事もあります(笑)。先週は妻と一緒にフルマラソンを走ったんですよ。腰痛には筋肉をつけるのも良いみたいで、ランニングを始めてから大分、腰が楽になりましたよ。アーユル・チェアーってランニングやウォーキングに共通する事があるかもしれませんね。背骨が立っている状態で、直線に近い形で真下に加重がかかっていて、ぶれない様にバランスを取っている所とか。

– アーユル・チェアーを購入してから、何か生活に変化はありましたか?
一番感じるのは仕事の効率が上がった事ですね。やはり自分の生活は仕事がメインです。アーユル・チェアーは座りっぱなしでも疲れないし、しんどくならない。だから集中できて作業も進みます。机の周りのプリンターの場所に移動したりとかチョコチョコと軽快に動き回れるのが楽です。他にも、仕事の効率が上がる為にこだわっている物がパソコンや周辺機器のマウスなどで、なるべく反応が良くて作業がスムーズにできる物を選んでいます。仕事の効率が上がるモノには投資は惜しみませんね。

– 正しい姿勢を保てると、副交感神経が落ち着いて集中力が高まるんです。腰当て(背もたれ)が大きかったり肘掛けがあると、どうしても寄り掛かったりしてしまいますので、体のバランスが悪くなってしまうんです。
従来のイスの概念から言うと背もたれが大きくないとか、肘掛けがない事でマイナスのイメージになる事が多いですよね。確かに肘掛けがあるとどちらかに体重をかけてしまいますね。それに肘掛けのないイスだと机との距離を狭められるので正しい姿勢を保ったまま仕事ができるんですよね。あと上半身が自由に動くのが良いですね、何か物を取ったり、結構仕事中は常に動く事があるから。あと物を拾う時は、こらえるから腹筋を鍛える事が出来ますしね(笑)。
実はオリジナルの机を自分用にデザインして使っています。机の天板を自分の幅のサイズにくりぬいて、そうすると体が机にすっぽりと入るので、机を大きな肘掛けにできます。そうすると、肘でも体重を分散させるからもっと腰の負担がなくなるでしょ。
普通は机に合わせてイスを選ぶだろうけど、イスにこだわっているから、机も仕事がしやすい様にこだわって作ったんです。

– 他にアーユル・チェアーでお気に召している点はありますか?
やっぱり材質ですかね。硬すぎず柔らかすぎず、ちょうど良い硬さなんです。ずっと座っていても蒸れないし、あと汚れにくいですし。
それから小回りがきく事です。僕は仕事中ちょこちょこ動くから本当にコンパクトで軽快なのが良いですね。それにこのキャスターが動きやすいんです。だから座ったまま部屋中を移動する事も多いんですよ(笑)。

– 実は澄川さんのアドバイスもあって、もっとデザインにこだわったプレジデントモデルを来年の春頃に発売する予定なんです。
それは素晴らしいですね。もっとリクエストすると有機的な曲線だといいですね。もし機会があれば基本ラインだけでも引いてみたいですね。腰当ても支柱も繋がっているような一体感があるイスとかどうですか?あとキャスターが床を傷つけにくい素材で作っているのなら、黒ではなく半透明の色にするとか、レバーをちょっと変わった使いやすい形にするとか、画になるようなインパクトのあるようなデザインも良いんじゃないでしょうか。楽しみにしています。

– 今後のアーユル・チェアーに一言お願いします。
実はアーユル・チェアーに期待している事があって。今の世の中の社長のイスって背もたれが大きくて、肘掛けもあってどっぷり座るタイプばかりじゃないですか。でも今ってそんな社長のイスはあり得ないでしょ?プレイングマネージャーじゃないと今の時代はやっていけないと思うんですよ。そして、そういう人ってちょこちょこ動いているんですよね。だからアーユル・チェアーは現代の社長に座ってもらいたい。仕事って前向きなものだし、このイスに座れば姿勢が良くなるから仕事の効率も上がるんだし。そういうアクティブな人に使ってもらって、現在の社長のイスの概念を崩してもらいたい。期待しています。

澄川伸一氏
1962年生まれ プロダクトデザイナー
澄川伸一デザイン事務所 代表
ソニー(株)のデザイナーを経て、1992年に独立。
多くの国での滞在の経験を生かし幅広くデザインを行っている。
http://www001.upp.so-net.ne.jp/sumikawa/